春の大島にて
イベントで、愛媛県の大島というところへ行ってきました。
愛媛県と広島県の間にある島を結ぶ橋ができて、10周年。
しまなみ街道10周年記念事業、
Shima×2 Net主催 クラフト市場
青山石工房という石の加工場を会場にして、島々の手づくり作家さんや、食べ物屋さんが集まりました。
http://shima2net.jugem.jp
島のお客さんたちに、なんでわざわざ、愛媛県まで〜???
とびっくりされましたが、お正月に遊びに行った、大島のパン屋さん、『ペイザン』の奥様たちが主催のイベント。
http://www.q~pavsan.com
主婦仲間で、一年に一回発行の島の生活情報誌をつくっていて、ペイザンの奥様は絵を担当。
その仲間たちで、クラフト市場をしようという話が、市のしまなみ街道の10周年イベントと合体して大きなイベントになってしまったとのこと。
お手伝いを頼まれたpartner(愛媛県出身)について行くことになったのでした。
せっかくだから、私も出店しようと、パン屋さんのお役に立そうなスープを作らせてもらうことになりました。
主役じゃなくって、でも、あったら嬉しくて、ホッとするような存在。
今回のスープのテーマ。
『名脇役』
京都のCafe時代からお馴染みのミネストローネをつくることに。
…ミネストローネといえば、にんにく、ベーコン、パルミジャーノレジャーノチーズが入って野菜もたっぷりの食べるスープ。
でも、もともとは、イタリアの家庭で生まれた家庭料理。
冷蔵庫の残り物を使ってつくったのが始まり。
日本でいうと、具だくさんのみそ汁、けんちん汁のような存在かな。
ミネストラと辞書で調べると、生計、賄い、暮らし、日常の食べ物とある。
ミネストローネはスープにパスタや米などをいれたもの。
トスカーナ地方では、いんげん豆をいれる。
私がよく作るのは大豆をいれたミネストローネ。
京都のCafe、ひるたんくす時代にはリッチに削りたてのチーズ、お肉屋さんの脂ののったベーコン、京都上賀茂の野菜で、主役って感じのスープだった。
今回は、周りのひとたちのパンや料理を引き立てる名脇役を演じたいところ。
マクロビオティックを知ってもらう機会にもなるので、野菜のみで作ることにした。
まずは、玉葱を蒸し煮する。普通はオリーブオイル、にんにくで炒めるんだけど、コクを出すために、ごま油で。
重ね煮で、野菜のうま味を引き出す。
玉葱、にんじん、だいこん、ピーマン、スナックえんどう、パプリカ、トマト、きゅうり、セロリ、キャベツ、ジャガ芋。
食べるスープなので食感を残すために、大きさを変える。
崩れてなくならないように、大根やジャガ芋は大きめのキューブに。
ダシは、野菜のへたや、皮、切り干し大根、干ししいたけを煮込んだもの。
調味料は塩のみ。
重ねて煮込んで、野菜がお互いにうま味を引き出しあって…
重ね煮のスープは、血液をさらさらにしてくれる。
飲むとホッとする。
イベント前日、風の強い夜だったので、ご夫妻は会場のテントが倒れたのわ直しに出掛け、子供たちと留守番しながら、ペイザンさんの台所で、晩御飯を作らせてもらいながら、ゆっくりと煮込んだ。
当日は、見事に晴れ!
イベントは石工房なので、石割の儀式が行われ開会された。
お客さんが集まってきて、最初の一杯が売れて、とても嬉しくて、ホッとしたのもつかの間。
突然、電気が止まり、スープが温められなくなり、行列ができた。
銀ちゃんがすぐにカセットコンロを買ってきてくれたので、すぐに復活!
待たせている間にお客さんと話が出来たので、島のひとたちの温かさにも触れることができた。待たされても、みんな優しい。
ミネストローネは気付いたら昼までに売切れ。
パン屋さんもあっというまに完売。
他の出店者のひとたちと話をしたり、買い物したり、物々交換で、マヤ歴の占いをしてもらったりと、思う存分楽しんだ。
海に囲まれた島。
こどもたちは自然とともに生き生きと育つ。
大人たちは、一生懸命働き、助け合い生きている。
シンプルだけど洗練された技術が集まって、新しいものが生まれていく。
昔の暮らしのよさと現代の便利さと、いいところを出し合い生活している。
なんだか無駄がない。
ミネストローネを料理するように、お互いのよさを引き出しあって、やさしいスープのような一体感。、島のひとたちと一緒にできた楽しくて幸福なイベントでした。